街道遍路

歴史街道・史跡探訪ピンポイントガイド

九州2015春

昔からのオートバイの友人が長崎で自分の病院を開院するという。これは行かねば。 <1日目> 出立。雨 移動日。前夜出発でなるべく下道を使い、休み休み進む。 ごろんごろん、のんびり走れるディーゼルエンジンのマニュアルミッション車なので、下道が味わい…

【奥の細道24】尾花沢(山形県尾花沢)

尾花沢にて清風と云者を尋ぬ。かれは富るものなれども、志いやしからず。都にも折〃かよひてさすがに旅の情をも知たれば、日比とゞめて、長途のいたはり、さまざまにもてなし侍る。 涼しさを我宿にしてねまる也 這出よかひやが下のひきの声 まゆはきを俤にし…

【奥の細道23-4】山刀伐峠(山形県最上)

あるじの云、是より出羽の国に大山を隔て、道さだかならざれば、道しるべの人を頼て越べきよしを申。さらばと云て人を頼侍れば、究境の若者反脇指をよこたえ、樫の杖を携て、我我が先に立て行。けふこそ必あやうきめにもあふべき日なれと、辛き思ひをなして…

【奥の細道23-2】尿前の関(宮城県)

小黒崎みづの小嶋を過て、なるこの湯より、尿前の関にかゝりて、出羽の国に越んとす。此路旅人稀なる所なれば、関守にあやしめられて、漸として関をこす。 岩出山を出立した芭蕉たちは、前日も行った小黒崎、水の小嶋を経て鳴子温泉に至る。ここにある尿前の…

【奥の細道23-1】岩出山(宮城県)

南部道遥にみやりて、岩手の里に泊る。 芭蕉一泊。この夜、宿でルートについてくわしく訊ね、ルート変更を決めている。岩出山では伊達家ゆかりの有備館の庭園が見どころ。 「岩出の」里は現在の岩出山。有備館駅前には伊達家ゆかりの有美館が待ち構える。 有…

【奥の細道23-3】封人の家(宮城県)

大山をのぼつて日既暮ければ、封人の家を見かけて舎を求む。三日風雨あれて、よしなき山中に逗留す。 蚤虱馬の尿する枕もと 封人の家で足止めを食らう 三日のあいだ暴風雨で宮城県と山形県境に近い民家で逗留を余儀なくされた。この家の跡が現在も残っている…

【奥の細道40-2】永平寺(福井県永平寺)

五十丁山に入て永平寺を礼す。道元禅師の御寺也。邦機千里を避て、かゝる山陰に跡をのこし給ふも貴きゆへ有とかや。 名刹・永平寺に対して記述は60字程度と、芭蕉は驚くほど素っ気ない。 芭蕉の素っ気なさとは裏腹に、永平寺門前の客引きは熱い。クルマで通…

【奥の細道38】那谷寺(石川県加賀)

山中の温泉に行ほど、白根が嶽跡にみなしてあゆむ。左の山際に観音堂あり。花山の法皇三十三所の順礼とげさせ給ひて後、大慈大悲の像を安置し給ひて那谷と名付給ふとや。那智谷組の二字をわかち侍しとぞ。奇石さまざまに古松植ならべて、萱ぶきの小堂岩の上…

【奥の細道40】天龍寺(福井県永平寺)

丸岡天竜寺の長老古き因あれば尋ぬ。又金沢の北枝といふもの、かりそめに見送りて、此處までしたひ来る。所〃の風景過さず思ひつゞけて、折節あはれなる作意など聞ゆ。今既別に望みて、 物書て扇引さく余波哉 芭蕉に金沢から随行した立花北枝(ほくし)とこ…

【奥の細道39】全昌寺(石川県加賀)

大聖持の城外、全昌寺といふ寺にとまる。猶加賀の地也。曾良も前の夜此寺に泊て、 終宵秋風聞やうらの山 と残す。一夜の隔、千里に同じ。吾も秋風を聞て衆寮に臥ば、明ぼのゝ空近う読経声すむまゝに、鐘板鳴て食堂に入。けふは越前の国へと心早卒にして、堂…

【奥の細道38.2】山中温泉(石川県加賀)

温泉に浴す。其功有明に次と云。 山中や菊はたおらぬ湯の匂 あるじとする物は久米之助とていまだ小童也。かれが父誹諧を好み、洛の貞室若輩のむかし爰に来りし比、風雅に辱しめられて、洛に帰て貞徳の門人となつて世にしらる。功名の後、此一村判詞の料を請…

【奥の細道37】小松(石川県加賀)

小松と云所にて しほらしき名や小松吹萩すゝき 此所太田の神社に詣。真盛が甲錦の切あり。往昔源氏に属せし時、義朝公より給はらせ給とかや。げにも平士のものにあらず。目庇より吹返しまで、菊から草のほりもの金をちりばめ龍頭に鍬形打たり。真盛討死の後…

【中山道03】浦和宿(埼玉県大宮)

浦和宿の手前、現在の焼き米坂のあたりを描いている。絵の中の焼き米茶屋は今も名残りがある。 街道の奥には板張りの太鼓橋。その向こうに小さく浦和宿の町なみ。さらに遠景に目をやれば、浅間山が噴煙をたなびかせている。 辻の一里塚は今は東京外環道の下…

【中山道02】蕨宿(埼玉県蕨)

浮世絵に描かれているのは、戸田の渡し。今の荒川である。 中山道、最初の難所・清水坂。 戸田の渡し跡近くにある水天神。 蕨宿の南にある冠木門。国道を離れ、この門をくぐれば蕨宿の景観保存エリア。 町並みの景観は歩いていて飽きさせない。 蕨宿本陣跡の…

【奥の細道03】草加(埼玉県草加)

ことし元禄二とせにや、奥羽長途の行脚、只かりそめに思ひたちて呉天に白髪の恨を重ぬといへ共耳にふれていまだめに見ぬさかひ若生て帰らばと定なき頼の末をかけ、其日漸早加と云宿にたどり着にけり。痩骨の肩にかゝれる物先くるしむ。只身すがらにと出立侍…

【奥の細道02】千住(東京都荒川)

弥生も末の七日、明ぼのゝ空朧〃として、月は在明にて光おさまれる物から不二の峯幽にみえて、上野谷中の花の梢又いつかはと心ぼそし。むつまじきかぎりは宵よりつどひて舟に乗て送る。千じゆと云所にて船をあがれば、前途三千里のおもひ胸にふさがりて幻の…

【奥の細道01】深川(東京都江東)

月日ハ百代ノ過客ニシテ、行キ交フ時モ又旅人ナリ。 舟の上に生涯を浮べ、馬の口とらえて老をむかふる物は、日々旅にして旅を栖とす。古人も多く旅に死せるあり。予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊のおもひやまず、海浜にさすらへて、去年の…

【東海道54】三条大橋(京都府京都)

京都三条大橋。江戸を発ってから124里半。およそ490kmにわたる旅路も、この橋を渡れば終わりである。遠景には東山36峰と比叡山。日本橋の絵と対照的な構図。より大きな地図で 東海道五十三次「ピンポイント」ガイド を表示 大津宿を発つとすぐ国道161号から…

【東海道53】大津宿(滋賀県大津)

東海道五十三次、最後の宿駅。北国街道との分岐にあたり日本海側の特産物も多く運びこまれ、市のにぎわいが活写されている。より大きな地図で 東海道五十三次「ピンポイント」ガイド を表示 草津から大津へはおよそ15kmほどの行程です。 野路の一里塚は旧街…

【東海道52】草津宿(滋賀県草津)

うばがもちやが描かれている。現在は国道1号沿いにある。 草津は東海道と中山道との分岐点でもある。より大きな地図で 東海道五十三次「ピンポイント」ガイド を表示 石部の茶屋のある目里を発つと、しばらくは近江線沿いにのどかな道を近江富士を眺めなが…

【東海道51】石部宿(滋賀県湖南)

絵は石部宿の西、目川の里にある茶屋。名物の田楽は今も食べることができる。背景にはうっすらと青を引いた琵琶湖と比良山。より大きな地図で 東海道五十三次「ピンポイント」ガイド を表示 野洲川を渡るには韓国(からくに)橋しかありませんので、いったん…

【東海道50】水口宿(滋賀県甲賀)

女性が瓢箪を干している図。背後に見えるのは鈴鹿の山だろうか。現在も街道周辺は往時の雰囲気がよく残されている。より大きな地図で 東海道五十三次「ピンポイント」ガイド を表示 鈴鹿峠を越えてからの近江路は平坦な田園地帯を抜けるおだやかな道がつづき…

【東海道49】土山宿(滋賀県甲賀)

坂は照る照る 鈴鹿は曇る あいの土山雨が降る 鈴鹿峠越えをうたった古い唄。 広重の絵でも土山は雨が降っている。すごく降っている。より大きな地図で 東海道五十三次「ピンポイント」ガイド を表示 鈴鹿峠を越えて近江路となります。 しばらくは高規格幹線…

【48】坂下宿(三重県亀山)

情緒たっぷりの関宿をあとにして、西のハイライトはつづき、鈴鹿峠へ。国道1号線はしばらくはだらだらとつづく勾配。ロードレーサーやオートバイがときどき通る。 やがて国道を離れて旧道へ。里の雰囲気たっぷりの道。広重の坂下宿の絵は、宿場町ではなく、…

【東海道46】関宿(三重県亀山)

鈴鹿峠の東麓にある関には関所があった。東の箱根、西の鈴鹿。より大きな地図で 東海道五十三次「ピンポイント」ガイド を表示 亀山宿から鈴鹿峠方面に西に進みます。鉄道も亀山駅から先は無電化区間。 いよいよ東海道の西のハイライトエリアをめざします。 …

【東海道46】亀山宿(三重県亀山)

広重の絵での亀山。 すごい雪と傾斜。右上に亀山城の石垣と櫓(やぐら)が見える。より大きな地図で 東海道五十三次「ピンポイント」ガイド を表示 現代の東海道徒歩旅は大きな交差点によって何度も行く手を阻まれる。江戸時代は川越えがたいへんだったが、…

【東海道45】庄野宿(三重県鈴鹿)

広重の絵は宿場の風物ではなく、雨に降られて走っている人足が主題です。より大きな地図で 実踏・東海道五十三次マップガイド を表示 石薬師寺の境内を抜けてまもなく、JR関西線の下をくぐり、田園地帯のなかを抜けていきます。 へんぴな道ですが、旧街道…

【東海道44】石薬師宿(三重県鈴鹿)

初冬ののどかな農村風景の向こうに宿場。さらにそのかなたには、西の難所・鈴鹿峠が控えている。山を三重に描くことで、この先の道のりの厳しさを予感せずにはいられない。より大きな地図で 実踏・東海道五十三次マップガイド を表示 四日市を出て、近鉄線泊…

【東海道43】四日市宿(三重県四日市)

今の四日市からは想像もできない風景が描かれている。より大きな地図で 実踏・東海道五十三次マップガイド を表示 桑名を出て最初の大きな橋。員弁川を渡る。 国道1号のすぐ横を平行する旧道。 朝明川にかかる朝明橋の手前に常夜灯。 四日市が近づいてきた…

【東海道42】桑名宿(三重県桑名)

帆掛け船と桑名城がモチーフ。揖斐川ごしに見た桑名城は水上城郭のように見える。より大きな地図で 実踏・東海道五十三次マップガイド を表示 宮宿から七里の船旅を終えた江戸の旅人たちは、ここ桑名から上陸し伊勢路を進んだ。 七里の渡し公園として整備さ…