街道遍路

歴史街道・史跡探訪ピンポイントガイド

【奥の細道39】全昌寺(石川県加賀)

大聖持の城外、全昌寺といふ寺にとまる。猶加賀の地也。曾良も前の夜此寺に泊て、
終宵秋風聞やうらの山
と残す。一夜の隔、千里に同じ。吾も秋風を聞て衆寮に臥ば、明ぼのゝ空近う読経声すむまゝに、鐘板鳴て食堂に入。けふは越前の国へと心早卒にして、堂下に下るを若き僧ども紙硯をかゝえ、階のもとまで追来る。折節庭中の柳散れば、
庭掃て出るや寺に散柳
とりあへぬさまして草鞋ながら書捨つ。

越前の境、吉崎の入江を舟に棹して汐越の松を尋ぬ。
終宵嵐に波をはこばせて月をたれたる汐越の松
西行
此一首にて数景尽たり。もし一辧を加るものは、無用の指を立るがごとし。


全昌寺。芭蕉句碑あり。
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句碑・案内板
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