【奥の細道02】千住(東京都荒川)
弥生も末の七日、明ぼのゝ空朧〃として、月は在明にて光おさまれる物から不二の峯幽にみえて、上野谷中の花の梢又いつかはと心ぼそし。むつまじきかぎりは宵よりつどひて舟に乗て送る。千じゆと云所にて船をあがれば、前途三千里のおもひ胸にふさがりて幻のちまたに離別の泪をそゝく。
行春や鳥啼魚の目は泪
是を矢立の初として、行道なをすゝまず。人〃は途中に立ならびて、後かげのみゆる迄はと見送なるべし。
早朝から集まった見送りの人たちといっしょに深川から千住まで舟で渡った芭蕉と曾良。今の千住大橋のあたり。
千住大橋の手前にはすさのお神社があり句碑がある。
千住大橋を渡ると、橋のたもとに大橋公園がある。
ここで見送りの人たちと別れた様子が原文に描かれている。
矢立の碑や、おくの細道のルート図が大きな看板である。トイレ、ベンチもあるので休憩にもよい。