【東海道25】日坂宿(静岡県菊川)
「佐夜ノ中山」と図中で書かれた佐夜峠は東海道中盤の難所である。急峻な坂道をのぼる駕籠かきや、伝説の「夜泣石」を眺める旅人が描かれている。
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金谷から茶畑のあいだの石畳を越えていく。ゆるくだらだらとつづく坂も精神的にこたえる。
ひとつ台地を越えると、次の台地が。あいだの低地にあるのが菊川の宿。
ここからは、万葉の時代から旅人を泣かせてきた小夜の中山。といっても、山ではなく、やっぱり台地。山とちがって台地なので見晴らしがききます。見通しのきくまっすぐな道で延々と坂がつづくと、なんかやるせない気持ちになってくるんでしょうか。
まっすぐな道でさびしい 種田山頭火
道端のところどころに万葉の時代からの小さな歌碑があり、どの歌も、みんな泣き言ばかり。
小夜の中山公園には、遠州七不思議の夜泣き石。お茶屋と駐車場あり。
小夜の中山全景
長い台地越えがおわるところに、日坂の宿場町。
今はバイパスの下に隠れるような集落ですが、かえって当時の雰囲気を色濃く残しています。クルマだと、おそらく通り過ぎたことにも気づかないでしょう。