街道遍路

歴史街道・史跡探訪ピンポイントガイド

四万十川の沈下橋と、川釣りの少年

四国上陸二日目。午前四時に車内で目覚める。そのままデスクワーク。KとMはよく眠っている。
五時半、ハイエースのエンジンをスタート。
最初の池は宇和島の穴場スポットとのことだったが、行ってみると釣り禁止。
もうひとつの本命の湖は入口が分からず通りすぎてしまい、そのまま宇和島離脱。
 
今回の旅では、KとMに四万十川の沈下橋を見せたいと思っていた。
沈下橋を見下ろせる茶屋の駐車場にハイエースを停めたが、寝起きのKとMは寒いと言ってあまり外に出たがらない。
 

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四万十川に沿って海に向かって走り、四万十市からは土佐湾を垣間見ながら国道を東に進んだ。横浪黒潮ラインで運転をKと運転を交替。絶景のワインディングをKは楽しんでいるようだ。黒潮に突き出た断崖に咲く山桜がけなげだったが、Mはハイエースの中で眠りつづけている。
 
土佐市でいい川を見つけて釣りをした。釣り竿を持った少年がひとりで自転車に乗ってやって来た。かつての自分を見るような気がした。
 
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夕方には高松に着いた。中学時代を過ごした町だ。
昼間に釣り少年を見たせいだろうか、30年も前に小遣いを貯めてダイワのリールを買った釣具店に寄ってみようと思いついた。このリールは43歳になった今でも持っている。少年の宝物は、何歳になっても宝物なのだ。
 
記憶をたよりに釣具店のあった場所に行ってみると、立派な店になっていた。30年もたっているのだから改築してもおかしくない。しかし、ひとつ腑に落ちない。記憶では、店は通りの反対側のはずだ。
場所が記憶と違うと、ひとり言い張っていると、店は健在だったのだからいいじゃないのとKがなぐさめるように言う。記憶にこだわるのは歳をとったせいか。
道の反対側に目をやると、暮色のなか、まさにあのころのままの建物と看板。
「ほら、見てみろ」と得意げな四十路男。
 

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屋島健康ランドは新婚旅行で初めて利用した。
二年前には原発で亡くなったオートバイ仲間の墓参りで松山に行った帰りに、オートバイ仲間と寄った。
割烹には新婚旅行では高級感がありすぎて入れなかった。オートバイ仲間と入った。大人になったんだと思った。その割烹も焼き肉屋に改装していた。Kとはついにあの割烹には入れずじまいとなった。
午前2時に退館し、駐車場のハイエースにもどる。KとMは何ごともなかったように再び眠りの世界にもどった。
 

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